食事の小さな共通点が嬉しい今日このごろです
今の彼女とどうして付き合ったのか、という馴れ初め。「目玉焼きに塩をかけるという共通の好みで付き合うようになった」と周囲に話すと驚かれる。「え、そんなので付き合ったの?」確かに信じがたいことだろう。しかし、本当なのだ。彼女とは、もともと「セフレ」で関係を終わらせるつもりだった。ちょうど、俺は失恋をしたて。正直、もう彼女なんていらないと思っていた。元カノとは三年間の交際期間。もし、中学一年のころに付き合っていたら丸々三年間を彼女に費やしていたんだな、なんかそう思うと余計に切なくなった。そして、別れ際が最悪だった。
元カノは不倫に走り、そのまま音信不通。三年間の付き合いがあるんだから、最後くらいちゃんとしろよ、と思ったが、そんなことを伝えることさえできなかった。だから、こんな俺にまた彼女ができるなんて自分自身がいちばん信じられなかった。今の彼女と出会ったのは出会い系サイト。「今夜、泊めてほしいんです」という怪しいメール。「どんだけビッチなんだ」と俺は警戒心を抱いたが、流れで会うことになった。場所は、いきなり自宅なんてアレだから近所のファミレスを指定した。彼女はどこにでもいそうな清楚な子だった。そして、ピュアというんだろうか、とても可愛かった。なんでこんな子が今夜の宿なんて探してるわけ? と疑問を抱かずにはいられなかった。
最初はハンバーグだのエビフライだの好きなものを注文して食べた。そして、食後のお茶とデザートをとったあと、なぜか俺たちはビールを飲み始めた。もう体に吐き出したい毒がたっぷりあったんだろうな。「親が離婚調停中で……」彼女の家出の真相が語られた。暴力をする父親。ヒステリックな母親。言葉にするのは簡単だけど、その場の空気を吸っていたらこっちまで発狂しそうになるんだろうな。結局、朝三時まで飲んでそのまま俺の家へ。なんだかセックスという気にはならなかった。彼女にはゆっくり休んでもらいたかった。「おはよう。冷蔵庫借りちゃいました」お昼に起きた俺は、目玉焼きに添えられている塩を見て、「あ、この子と付き合いたいな」って思ったのだった。
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